今回は、長らく続いている日本の「低金利時代」をキーワードに、
かつての日本経済と金利がどのような推移をたどってきたのか、
過去の歴史を振り返りながら解説します。

  1. かつては「高金利」が当たり前だった

現代の40代以下の世代には想像しがたいことですが、
かつての日本には「高金利」の時代がありました。

1990年代半ばのバブル崩壊以降、
日本は30年近く低水準の金利が続いています。
現在、大手銀行の定期預金金利は一般的に年0.002%程度です。
これは100万円を1年間預けても、
利息はわずか20円(税引き前)にしかならないという驚くべき低水準です。

一方、1950年代半ばからの高度経済成長期には、
金利が10%を超えることも珍しくありませんでした。
当時は預金が「複利」で計算されていたこともあり、
10%
の金利であれば「72の法則(72÷金利=お金が2倍になる期間)」に当てはめると、
8年で元本が倍になる計算でした。
実際に、1970年代の第一次オイルショック後には公定歩合が9%に達し、
郵便局の定期貯金金利が一時期10%を超えていたこともあります。

  1. 公定歩合と金融調整の仕組み

かつて、日本銀行が民間銀行に貸し出す際の金利を「公定歩合」と呼び、
これが日本の政策金利の柱となっていました。

当時は、預金金利などの各種金利が公定歩合に連動していたため、
日銀が公定歩合を上げ下げすることで、
直接的に市場の金融調整を行っていました。
しかし、1994年に金利の完全自由化が実現すると、
公定歩合と預金金利の連動性は失われました。
それに伴い、2006年には「基準割引率および基準貸付利率」へと名称が変更され、
現在では市場の短期金利を誘導する「公開市場操作」が金融調整の主役となっています。

  1. バブルの発生と崩壊:金利操作の影響

日本の経済史において、
金利操作が最も劇的な影響を及ぼしたのがバブル期です。

1985年のプラザ合意後、
急速な円高が進み、
輸出産業を支えるために
日銀は公定歩合を当時の過去最低である2.5%まで引き下げました。
この低金利によって市場に溢れた余剰資金が、
不動産や株式へと流れ込み、
空前のバブル経済を引き起こしました。

その後、行き過ぎた投資を抑制するために日銀は一転して金融引き締めを行い、
1990
年には公定歩合を6%まで急激に引き上げました。
この「ハードランディング」とも言える急激な利上げと総量規制により、
資金供給が遮断された市場は一気に冷え込み、
バブル崩壊、
そしてその後の長い経済停滞(失われた30年)へとつながっていったのです。

  1. 黒田総裁による大規模金融緩和とマイナス金利

バブル崩壊後の停滞を打破すべく、
2013
年からは黒田東彦前総裁による異次元の「大規模金融緩和政策」が始まりました。

2016年1月には、
日本初の「マイナス金利政策(-0.1%)」を導入。
これは、民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部に「手数料」を課すことで、
銀行が市場へ積極的にお金を流すよう促す政策でした。
さらに同年9月には「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」を導入。
日銀が国債を大量に買い入れることで、
10
年物国債利回りを0%程度に抑え込むという、
極めて人為的な金利操作を行ってきました。

  1. 国債価格と金利の「シーソー関係」

ここで、国債価格と金利の関係について整理しておきます。
両者は「シーソー」のように、
一方が上がれば他方が下がるという反比例の関係にあります。

  • 国債価格が下落すると、金利(利回り)は上昇する
  • 国債価格が上昇すると、金利(利回り)は低下する

日銀はこの原理を利用し、
金利を低く抑えたいときには
市場から国債を「買い漁る(買い支える)」ことで価格を吊り上げ、
金利を低下させてきました。
現在、日銀の国債保有残高は発行済残高の5割を超えており、
市場の実力値とはかけ離れた歪んだ金利水準が生じているとの指摘もあります。

結び:検証と責任の重要性

歴史を振り返れば、
日銀や政府の金融政策が国民生活や住宅ローン、
企業経営に多大な影響を及ぼしてきたことは明らかです。
かつて住宅ローンの金利が4%7%だった時代もありましたが、
現在は1%を切る水準が続いています。

しかし、こうした政策の結果、
日本経済が受けた恩恵と代償については、
より厳格な検証が必要です。
過去の政策が正しかったのか、
どのような副作用を生んだのかを議事録やデータに基づいてしっかりと反省し、
同じ過ちを繰り返さない体制を整えることが、
これからの日本経済にとって不可欠であると言えるでしょう。

 要約

- 歴史の俯瞰
  - 195070年代は預金10%超も珍しくない高金利期。
 72の法則でお金は約8年で倍。
 1990年代半ばのバブル崩壊後は一転して超低金利が長期化。

- 金利調整の仕組みの変遷
  - 旧来は公定歩合で各種金利が連動。
 1994年の金利自由化以降は連動性が希薄化し、2006年以降は公開市場操作が主役に。

- バブルの生成と崩壊
  - プラザ合意後の円高対策で低金利
資産価格の過熱
→1990年の急激な利上げ・総量規制でハードランディング、
 長期停滞へ。

- 異次元緩和とYCC
  - 2013年以降の大規模緩和、
 2016年のマイナス金利導入、
 長短金利操作(YCC)で10年国債利回りを0%近辺に抑制。
 日銀のJGB保有は発行残高の5割超。

- 国債と金利の反比例
  - 国債価格で利回り、価格で利回り
 大量買入は価格を吊り上げ、金利を抑制する一方、市場の歪みも拡大。

- 結語
  - 金融政策の恩恵と副作用の検証・説明責任が不可欠。
 歴史を踏まえ、同じ過ちを避ける設計と実装が求められる。

この動画から得られること

- 歴史理解:高金利期金利自由化ゼロ・マイナス金利→YCCの流れ
- 仕組み理解:公定歩合・公開市場操作・国債価格と利回りの関係
- 事例の教訓:バブルの誘因と崩壊のメカニズム、ハードランディングの代償
- 現状の論点:日銀のJGB大量保有と市場の歪み、正常化の難所
- 実務KPI:家計の返済増感応度、企業のICR/DSCR、固定・変動ミックス、流動性水準
- 行動計画:金利ストレス試算固定化/ラダーヘッジモニタリングの手順

 

専門家の付加価値

- モニタリング指標
  - 10年国債利回り・政策金利、
 JGB買入オペ結果、
 タームプレミアム、
 USD/JPY、銀行NIM

- 家計(住宅ローン)簡易感応(残高3,000万円・残25年・元利均等)
  - 1.0%:約11.3万円/月、
  2.0%:約12.7万円(+1.4万円/12%)、
    3.0%:約14.2万円(+2.9万円/26%
  - 閾値:月返済+15%超で固定化・ミックス・繰上げの検討域

- 企業財務KPI(ストレス後目標)
  - ICR(営業利益/利息)≥3.0
    DSCR(営業CF/元利)≥1.2
  - 返済ラダー:1年内償還≤20%
                         3年内≤50%
                         固定比率≥50%
  - 流動性:運転資金23か月+約定返済6か月の手元資金

- 金利対応
  - 固定/変動ミックス設計、
    スワップ・キャップの費用対効果、
    借入先分散(23行)

- 家計・企業共通の原則
  - 金利+100200bpのストレステストを年1回実施し、KPIを更新

 

例え話

YCCは「川に堤防を築いて水位(長期金利)を一定に保つ」ようなものです。
堤防を高くすれば一時は安心ですが、
上流の増水(世界金利上昇)が続けば水は溢れます。
事前に避難路(固定化・流動性)と避難計画(返済ラダー)を整えることが肝要です。

 

視聴後アクション

- 1. 現状整理:借入(残高・金利タイプ・期間)と家計/企業の収支をA4一枚に
- 2. ストレス試算:金利+1%/2%で月返済・ICR/DSCRの変化を計算
- 3. 閾値設定:家計=月返済+15%以内、
                       企業=ICR≥3.0/DSCR≥1.2を目標に対策を優先順位化
- 4. 固定化・分散:固定/ミックス比率を見直し、
                               返済ラダーを整える(複数行での枠確保)
- 5. 流動性の確保:生活費612か月(家計)、
                               運転資金23か月+返済6か月(企業)
- 6. ヘッジの検討:スワップ・キャップの見積を取り、
                               費用対効果で判断
- 7. 月次モニタ:長期金利・為替・オペ結果をウォッチし、
                           行動トリガーで機動的に対応

 

運用の勘所

- タイミング重視:上昇初動は審査厳格化とスプレッド圧縮が同時進行。
                              先回りの固定化・与信枠確保を
- 変動約款の確認:見直し周期・未払利息規定・返済額上限の条項を精査
- 価格戦略(企業):価値要素の明確化
                             →段階値上げ
                             →代替案提示で離反を抑制
- 投資の選別:IRR>負債コスト+リスクプレミアムの原則を徹底
- ガバナンス:金利・為替・インフレのボードレポートを月次化し、行動トリガーを事前合意

 

金利は「環境」、対応は「設計」です。
歴史の教訓と仕組みを理解し、
数値に落とした固定化・ラダー・流動性の三点セットで、
上振れ局面でも自走できる体制を整えましょう。

 

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