「基準地価」をテーマにお話しします。
以前、不動産には「一物多価」という言葉があり、
一つの物件に対して複数の価値基準が存在することをお伝えしました。
その基準の一つが、
国土交通省が毎年71日時点の調査結果を発表する「基準地価」です。

基準地価と他の評価額の違い

基準地価は、
他の公的価格に比べて「実勢価格(実際の取引価格)」に近いと言われています。
 例えば、相続税や贈与税の計算に使われる「路線価」は国税庁が発表しますが、
そこには国の意向が反映されやすく、
実勢価格とは乖離がある場合も多いです。
 
一方、基準地価はよりリアルな経済情勢や経営環境が反映された数字が出てきます。

法人間や個人間での売買において、
不動産会社を介さずに価格を決定する際、
実勢価格に近い基準地価を参考にすることも多いですね。

コロナ禍2年目、地価の全体動向

今年の基準地価の大きな特徴は、
コロナ禍の影響を受け、
全用途の全国平均が2年連続で下落したことです。
特に3大都市圏(東京・名古屋・大阪)で明暗が分かれました。
その一方で、
地方の中核4都市(札幌・仙台・広島・福岡)は非常に堅調で、
地価上昇を維持しています。

  1. 商業地の苦戦とインバウンド消失の影響

 商業地は経済の影響をダイレクトに受け、
全体的に下落傾向にあります。

  • 東京・銀座:
     商業地の最高価格である「明治屋銀座ビル前」は、
    1
    平米あたり3,950万円ですが、
    前年比3.7%の下落となりました。
  • 大阪圏:
     最も大きな打撃を受けたのが大阪です。
    インバウンド需要(訪日外国人観光客)に支えられていた
    梅田、難波、心斎橋などのエリアが、
    観光客の激減により前年の上昇から一転し、
    大幅に下落しました。
  1. 住宅地の二極化

住宅地は商業地ほど落ち込んでおらず、
一部では上昇も見られます。

  • 都心:
     港区赤坂などの希少価値が高いエリアやセレブが好むエリアは、
    継続して上昇しています。
  • 郊外・テレワーク需要:
     横浜市、千葉県浦安市、市川市など、
    都心へのアクセスが良く、
    テレワークにも適した住宅地がプラスに転じています。
  • 人気ランキング:
    「住みたい街ランキング」で上位の武蔵野市(吉祥寺)などは1.5%上昇するなど、
    ブランド力のある地域は強い傾向にあります。
  • 移住ニーズ:
     軽井沢などは、
    単なる別荘地としてだけでなく、
    移住先としてのニーズが高まり地価が上昇するという興味深い現象が起きています。
  1. 工業地の独歩高

用途別で唯一、
勢いがあるのが「工業地」です。

巣ごもり需要によるネット通販の拡大で、
大型の物流施設や工場の需要が急増しています。
特に高速道路のインターチェンジ付近や、
国道沿いで物流効率が良いエリアの地価が全国的に上昇しています。
大手デベロッパーも、
ビルや住宅だけでなく工業地帯の開発に注力しており、
今後もこの傾向は続くでしょう。

名古屋圏の特異な動き

名古屋圏は、
インバウンド依存度がもともと低かったこともあり、
コロナ禍でも商業地・住宅地ともに上昇を維持しました。

  • 商業地: 1.1%上昇
  • 住宅地: 0.2%上昇
    特に、自動車産業がコロナ禍でも(半導体不足などの課題はあれど)
    世界的に需要が強かったことが、
    地域経済の底堅さに繋がったと考えられます。

今後の展望と投資の視点

今後注意すべきは、
東京都心のオフィス需要です。
2023
年にはオフィスの大量供給が予定されていますが、
在宅勤務の定着により「オフィス不要論」も根強く、
需給バランスの崩れから地価が下落する可能性があります。
現にJTBやエイベックスなどの大手が資金確保のために本社ビルを売却する動きも出ています。

不動産市場は全体として「二極化」がさらに進んでいくでしょう。
地価の動向は、
人流や経済の動きと密接に連動しています。

 不動産を扱う方は、
単に現在の数字を見るだけでなく、
基準地価を定点観測することで「売り時・買い時」を見極める力が必要になります。
潮流に逆らわず、
需要がどこへ向かっているのかを冷静に判断して投資を行うことが大切ですね。

おわりに

基準地価は、不動産投資において非常に重要な指標です。
今後もこうした経済指標を追いながら、
より良い物件選びを進めていただければと思います。

要約

- 指標の位置づけ
  -
基準地価は毎年71日時点の地価を都道府県が評価し国交省が公表する公的価格。
    実勢価格に相対的に近く、路線価(国税庁公表)より市況を反映しやすい。

- 2021年前後(コロナ2年目)の全国動向
  -
全用途の全国平均は2年連続下落。
    三大都市圏は明暗が分かれ、地方中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)は堅調。

- 用途別の明暗
  -
商業地:観光・外食・対面需要の縮小で下落。
                  銀座「明治屋銀座ビル前」3,950万円/㎡で前年比−3.7%。
                  大阪はインバウンド急減の影響が大。
  -
住宅地:総じて小幅、エリア次第で上昇。
                  都心の希少立地(港区赤坂など)や、横浜・浦安・市川等の郊外×テレワーク適地は堅調。
                  武蔵野市(吉祥寺)+1.5%。
                  軽井沢は移住需要で上昇。
  -
工業地:ネット通販拡大で物流・製造用地が上昇。
                   IC
付近や幹線道路沿いで顕著。

- 地域別の特性
  -
名古屋圏:インバウンド依存が低く底堅い。
                      商業地+1.1%、住宅地+0.2%。
                      自動車産業の強さが下支え。
  -
大阪圏:インバウンド消失の反動が大きく、商業地の下落が目立つ。

- 今後の着眼点と投資示唆
  -
東京オフィスは2023年前後の大量供給と在宅定着で需給悪化のリスク。
    大企業の本社売却も散見。
    市場は二極化が進行。
    基準地価を定点観測し、「用途×立地×需給」を軸に売買タイミングを設計する。

 

この動画から得られること

- 路線価との違いを含む「基準地価」の正しい位置づけと使い方
-
商業・住宅・工業の用途別トレンドと地域別の特徴(東京・大阪・名古屋・地方中核)
-
オフィス供給と在宅定着が賃料・価格に与える影響の見立て
-
投資のKPI(地価伸率・空室率・賃料成長率・物流需要)の設定法
-
基準地価を用いたエリアスクリーニングと売買タイミング設計の実務

 

例え話

基準地価は「海図と潮汐表」に相当します。
今いる海域(用途・地域)と潮の流れ(需給)を読めば、
帆(資金)をどう張り替えるかが決まる。
潮に逆らうより、
流れに乗るコース取りが、
最短で目的地(リターン)に近づく方法です。

 

専門家としての付加価値

- エリア×用途スクリーニング(3層フィルタ)
  1)
マクロ:基準地価3年平均伸率(用途別)工業地>0.5%、住宅地≥0%、商業地は−1%以内で許容
  2)
ミクロ:空室率(オフィス/住宅)・賃料成長率・人口/昼間人口のトレンド
  3)
需給:供給パイプライン(竣工予定)、交通結節点(IC/駅・新線計画)、大型雇用の新設/撤退

- 投資判定の閾値(目安)
  -
物流・工業:IC3km圏、トラックアクセス20分圏、想定利回り5.06.5%、テナント更新率≥70
  -
郊外ファミリー:駅徒歩1015分、生活利便(学校・病院・商業)スコア上位、平均入居年数≥7
  -
都心オフィス:空室率≤6%、竣工波の影響軽微(半径1kmの追加供給/在庫比≤5%)

- 地価×賃料の整合性チェック
  -
地価伸率>賃料伸率が続くエリアは利回り圧縮の過熱サイン。
     逆転が続けば割安余地。

- 30-60-90日アクション
  - Day 0-30
:基準地価・空室率・賃料指数のダッシュボード化(用途×地域)
  - Day 31-60
:候補エリアの現地確認(IC距離/生活利便/供給現場)とストック把握
  - Day 61-90
2シナリオ(ベース/ストレス)で収支表作成投資/売却の意思決定

 

視聴後アクション

- 具体ステップ
  1)
国交省サイトで最新の基準地価CSVを取得し、用途×地域の伸率を可視化
  2)
候補エリア3つを選定(工業1・住宅1・商業1)し、空室率・賃料指数を併記
  3)
現地確認(IC距離/生活利便/供給現場)と役所ヒアリング(開発計画)
  4) 2
シナリオ(ベース/ストレス)で収支表を作成し、利回りとDSCRの下限を設定
  5)
売却検討資産は、地価・賃料のトレンド乖離を確認し、タイミングを決定

- 用語の簡潔説明
  -
基準地価:都道府県が毎年評価する土地価格。
                      実勢価格に相対的に近い公的指標。
  -
二極化:需要の集中と分散で価格・賃料がエリアごとに大きく分かれる現象。

 

補助資料

- チェックリスト(抜粋)
  -
用途別(商業/住宅/工業)の3年平均伸率を把握
  -
空室率・賃料指数・供給パイプラインの収集完了
  - IC
距離・駅距離・生活利便の現地確認メモ
  -
収支表(ベース/ストレス)とKPI(利回り・DSCR)の設定
  -
売却/保有の意思決定記録(根拠・期限)

- テンプレ(要点)
  -
エリア診断シート(基準地価伸率・空室率・賃料・供給・総合スコア)
  -
現地調査フォーマット(交通/競合/生活利便/行政計画の確認項目)

 

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