■はじめに

今回はM&Aにおける仲介業者の役割と高額手数料の問題について、
取り上げたいと思います

■  仲介業者の基本的役割

M&A取引における仲介業者は、
売り手と買い手の間で最適なマッチングを図り、
取引の成立を促進する役割を果たします。

これには、市場分析、価値評価、交渉の進行など、
多岐にわたる業務が含まれます。
正しい仲介業者を選定することは、
取引の成功に直結します。

■高額な手数料や手付金の問題

一部の仲介業者が高額な手数料や手付金を要求する場合があります
特に「輩的な」仲介業者は、
市場価値に見合わないサービス料を請求することで知られています。
これは、M&A取引の初心者や情報に乏しい企業が容易に罠にはまるリスクを高めます。

■課題と解決策

 課題:透明性の欠如

高額な手数料や手付金を要求する仲介業者の最大の問題点は、
その透明性の欠如にあります。
料金体系が不明瞭であったり、
実際に提供されるサービスの範囲があいまいであるケースが多々あります。

 解決策:

詳細な契約書の確認:
契約を結ぶ前に、
サービス内容や料金体系を含め、
すべての細部を確認しましょう。

第三者の評価の利用:
独立した第三者機関による評価を利用して、
仲介業者の提案する価格が市場価値に見合っているか確認します。

複数の仲介業者との比較検討:
一つの仲介業者に依存せず、
複数の業者から見積もりや提案を取ることで、
最適な選択肢を見極めます。

■事例紹介

ここでは、高額な手数料や手付金を要求した事例とその後の取引結果について触れます。

成功例と失敗例の両方を検討することで、
読者の皆さんには仲介業者選びの重要性と注意点を具体的に理解していただけると思います。

ここからは実話です:
先日、こんなM&A業者にあいました。
M&A業者A社は、
売り手側の関連会社社長Bの大学の先輩が代表を務め、
お一人でその会社の経営をしていました。

AはB氏の紹介で買い手側Cを知ったという事で、
まずCに高額な着手金を用意しろと言ってきました。

そして期限を決めない独占交渉権を結べと言ってきました。
売り手Bの内容をざっと伺うと、
公庫から3億5,000万円の借金、
関連会社からの借入1億5,000万円、
さらにひどいことに数年稼働していない会社、
社員もすべて解雇済みでオペレーションできる人材は一人もいない

つまり、箱だけあると言った状態でした。

まともなM&A業者だったらそんな物件を高額な着手金を払わせて進めるなんてことは常識ではあり得ません。

こちら側買い手側Cがアドバイザーを立てたいと言うと、
それは絶対だめと言われ、
そうですよね、
売り手側Bの思う通りに買い手側Cに譲渡価格を支払わせようというのが、
誰の目から見ても分かりますし、
A社は売り手買い手双方から高額の手数料を取って儲けようとしている、
輩的業者だという事が。

■ここまでのまとめと今後の展望

業者の選定は非常に重要なプロセスですが、
高額な手数料や手付金を要求する業者には特に注意が必要です。

透明性の欠如や利益相反の可能性を避けるためには、
契約前の徹底した確認作業と複数の選択肢を比較検討することが不可欠です。

また、
独立した第三者の意見を参考にすることも、
公平かつ合理的な取引を実現する上で有効な手段となります。

デジタル技術の進化と共に、
M&A市場も変化しています。

ブロックチェーンやAI技術の活用が進むことで、
取引の透明性が高まり、
より公平な価格設定が期待されます。

これにより、仲介業者による不当な手数料請求の問題も減少する可能性があります。
さらに、オンラインプラットフォームの普及により、
売り手と買い手が直接接触しやすくなり、
仲介業者の役割が変化することも予想されます。

しかし、
専門的な知識や経験が必要なM&A取引においては、
信頼できる仲介業者のアドバイスが引き続き価値を持つでしょう。

■ さいごに 

M&Aにおける仲介業者の選定は、
取引の成功に直結する重要な判断です。
高額な手数料や手付金を要求する業者には注意が必要であり、
契約の透明性や公平性を確保するための対策が求められます。

今後、技術の進化が取引プロセスをより透明で公平なものに変えていくことを期待しつつ、
各企業は自社にとって最適なパートナー選びを心掛けていく必要があります。

M&Aは大きなチャンスであると同時に、
リスクも伴います。

だからこそ、
しっかりとした準備と正しいパートナー選びが成功への鍵を握ります。
本記事が、M&Aを検討している皆さんの一助となれば幸いです。

引用
税理士法人 A to Y メルマガ令和6年3月29日
【M&A】悪質なM&A仲介業者に要注意!

税理士法人 A to Y
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11
電話番号 052-331-0286
FAX番号 052-331-0317

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