節税と課税の繰延べ

会社を安定して経営する上では、
少しでも税負担を減らして手元に有効な資金を残すために、
効果的な節税対策に大きな関心を持つ経営者も多いでしょう。
その時に気をつけたいのが、
節税
」と課税の繰延べ
です。
この両者を混同されるケースも多く、
効果的な節税対策を実現するためには、
両者の違いについて正しく理解し、
正しく扱うことがとても重要です。

★「課税の繰延べ」は将来課税される可能性あり
「節税」と「課税の繰延べ」の代表例は下表のとおりです。

「課税の繰延べ」の場合には損金計上の時期を早めたり、
保険契約によって損金自体を上積みしたりすることで、
現時点での納税額を減らします。

一方で、
将来の損金の減少や益金計上へとつながることで、
納税額が増加する
可能性があるため、
あくまで「課税時期を先延ばしすること
を意味しています。

それに対して本来の意味の「節税」とは、
節税効果によって現在の税負担が軽減され、
将来の納税額が増えることもない半永久的な対策を表します。

★「課税の繰延べ」はタックスプランニングが重要
「課税の繰延べ」の場合には、
将来に先送りした税負担を軽減するための
出口戦略が重要な場合も少なくありません。

特に倒産防止共済や法人向けの節税保険を活用する場合には、
解約などによって返戻金を受けるタイミングで
修繕工事や役員退職金などの損金と相殺するケースが一般的です。

無計画に「課税の繰延べ」を行うことで、
かえってトータルでの税負担が増加する
リスクもあるため、
将来へ繰り延べる税額が大きい場合には、
事前に
タックスプランニングを検討しましょう。

「課税の繰延べ」については将来に繰り延べる税額が大きいほど、
入念な出口戦略が重要です。
キャッシュが残る経営を目指し、
効果的な節税対策を講じましょう。

社宅制度導入による節税効果とは?

節税の代表例として挙げている社宅をみていきましょう。

社宅とは法人が契約者となり、
自社が所有または賃借している居住用物件を
役員や従業員に貸与することを指します。

役員や従業員にとっては賃料を会社と折半できるだけでなく、
税金や社会保険料の節約にも効果的であるため、
非常にメリットの大きい制度といえるでしょう。
このような社宅制度は法人が実行可能な節税対策のひとつとして、
様々な企業で導入されています。

★社宅のメリットとは?
社宅制度を導入することによって、主に以下のメリットが期待されます。

■役員または従業員側

・賃料の一部を会社に負担してもらえる
・住宅手当に比べて所得税や住民税、社会保険料(個人負担分)の負担が減少

■会社側

・社会保険料(会社負担分)が減少する
・福利厚生の充実によって優秀な人材を確保しやすい

家賃補助としては下図のとおり「住宅手当」も一般的ですが、
給与課税や社会保険料の対象となる「住宅手当」に比べ、
「社宅」
の場合は会社が負担する賃料部分は、
所得税や住民税、
社会保険料の対象から外れるため、
個人の手取り額が増加することとなります。

★従業員負担分の計算方法
社宅については会社と個人で賃料を折半する必要があり、
賃料の50%以上」
または「以下(1)~(3)の合計額」のいずれかを徴収します。
(1)その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%
(2)12円×その建物の総床面積(㎡)/3.3㎡
(3)その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%
なお役員の場合には社宅として使用する家屋の規模などによって、
従業員とは計算式が異なるケースがあるためご注意ください。

今回は「社宅制度」を導入する効果について解説しました。
自社の役員や従業員に社宅を提供することで、
個人の税金や社会保険料の負担を減らし、
手取り額を増やす大きな助けとなります。
会社側にも一定のメリットが期待できるため、
社宅制度の導入について一度ご検討してみてはいかがでしょうか?

社宅制度導入に関する税金で分からないことがありましたら
税理士法人AtoY までお尋ねください。

税理士法人 A to Y 
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11 
電話番号 052-331-0286
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