令和4年12月、ついに日銀が10年続いた大規模な金融緩和政策の修正に動きました。
アベノミクスの象徴だった「異次元緩和」は
10年目で転換期に差し掛かり、
デフレ下で長く続いた超低金利時代は転機を迎えつつあります。
これからの異次元の金融緩和政策は
どうなるのか。
長く続いた超低金利時代の後、
企業・家計に利上げは、

どんな影響を及ぼすでしょうか。

●次期総裁の報道で株価が!

4月に任期満了の黒田日銀総裁の後任人事報道を受け、
2月13日の東京株式市場では日経平均株価の下げ幅が一時400円超になりました。
現状の「大規模な金融緩和政策」の解除懸念から売り優勢になったためです。

【異次元金融緩和とは】
「金融緩和」は、金利の引き下げやマネー供給で民間の投融資や消費を促す政策のことです。
2013年就任の黒田総裁は景気回復を目指し、
安部元首相が進めたアベノミクスの柱の一つで「黒田バズーカ」とも
よばれた大規模「異次元金融緩和」を実行しました。
株価は上昇し、行き過ぎた円高も解消しました。


●10年目の大規模緩和の転換!

1ドル150円の歴史的な円安や資源高を背景とするインフレが続く中、
日銀は昨年12月20日、金融緩和政策の一部修正を決定しました。

<異例の実質的利上げ?>
長期金利の許容幅を0.25%から0.5%に引き上げました。
許容幅とは長期金利の目標水準であるゼロ%からのかい離をとこまで認めるかの値のことです。
過去の変動幅は0.1~0.
05ポイントにとどまっており、
今回の0.25ポイントは日銀としては異例のことでした。

黒田総裁は利上げを否定していますが、
任期中は政策変更なしとの予想に反した実質的な利上げに緩和政策の修正に市場はは大きく反応しました。


●市場に利上げを織り込む動き!

翌日21日の債券市場では、2年物国債利回りが7年ぶりにプラスに転換。
10年債利回りは0.48%と前日拡げた上限に迫りました。
これも総裁の任期末を見据えた「10年間の異次元緩和の終り」を意識した動きです。

●今年1月緩和策維持の報道で!
昨年12月の事実上の利上げともとれる発表を受けて、市場はさらなる
政策修正を予想していましたが、日銀は今年1月の金融政策決定会合で
緩和策の継続を決定しています。これを受け、マーケットは次のように
反応しています。




●超低金利時代の出口が見える?

<長プラ2ヶ月連続引き上げ、年1.5%に>
みずほ銀行は2月10日から、企業向け貸出金利の指標となる
長期プライムレート(最優遇貸出金利)を0.1%引き上げて年1.50%にすると発表、
SBI新生銀行とあおぞら銀行、
商工中金も続きます。

2011年7月以釆の約11年半ぶりの高水準です。

日銀による昨年12月の緩和策変更で長期金利に上昇圧力がかかり
長プラは1月にも0.15%引き上げられ、2ヵ月連続での上昇になりました。

<円建て一時払い保険が売れている!>
国内の金利上昇を受けた予定利率の改善で、
円建て一時払い終身保険の販売が急増しました。
1月1日に予定利率を0.25%から0.
60%に引き上げた日本生命は、
年初のひと月で約376億円を販売し、

前年同月の13.4倍になりました。

同じく利率を上げた明治安田生命も1月は同様に50%強増えました。

「予定利率」は契約者に約束する運用利回りで、
高いほど払う保険料は少なくて済みます。

日銀の緩和(低金利)策による運用難で、
予定利率は段階的に引き下げられてきました。

引用

税理士法人AtoY メルマガ
【異次元緩和】超低金利時代の終焉!日銀、異次元金融緩和の出口Ⅰ・日銀と市場①
【異次元緩和】超低金利時代の終焉!日銀、異次元金融緩和の出口Ⅱ・日銀と市場②

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