2023年10月からスタートする消費税のインボイス(適格請求書)制度ですが、
貸ビル、賃貸アパート・マンション、駐車場などの不動産オーナー、
いわゆる大家さんは、
お持ちの賃貸物件の種類次第で採るべき対応が大きく異なります。
今回は他の事業とは違う、
不動産オーナー独特のインボイスの導入をするのかしないのかの選択方法も含めて、
対応を検討される際の参考にしてください。
但し、登録する場合には令和5年3月末までに行う必要があります。

●インボイス発行事業者になる? ならない?

◆住宅オーナーがすべき対応

住宅家賃には消費税がかからない(非課税)ので、
インボイスの発行は必要ありません。
お持ちの不動産が住宅用戸建やアパートなら、

インボイス制度への対応準備は特に必要ないでしょう。


◆事務所や駐車場オーナーがすべき対応

事務所家賃や駐車料(舗装あり)は消費税がかかりますが、
課税事業者のオーナーはインボイスが発行でき、
免税事業者だと発行できません。
インボイスがないと消費税の課税仕入れとならず、
同額の家賃でも
免税事業者のオーナーから借りると、
借り手の消費税負担は多くなり不利な扱いになります。

⇒課税事業者であるオーナー(課税売上1千万円超)
インボイス発行事業者の登録申請と、インボイスの発行準備が必要です。

⇒免税事業者のオーナー
免税事業者のままか、課税事業者になるかは念のため検討をお願いします。

免税事業者のままでも、
消費税分家賃が割高となれば、
借り手との話し合いで家賃の値引きが必要となる場合もあります。
一方、
あえて課税事業者になってインボイス発行するという選択肢も考えられます。



●インボイス発行事業者は消費税申告が必要

インボイス発行事業者は、
課税事業者として消費税の申告納税が必要で、
帳簿の保存が義務付けられます。
税率ごとの取引金額や消費税額など、

消費税に関係する事項の記帳が必要で、
免税事業者の帳簿よりかなり複雑になりますので、
会計ソフト導入がオススメです。


●簡易課税制度の選択も検討を!

消費税は、家賃と預かる売上消費税から、
経費で支払う支払消費税を引いて納税するのが原則ですが、
物を仕入れて売る小売業などと違い、

不動産賃貸業の必要経費は
「固定資産税、借入金利息、
減価償却費など」
課税されないものが中心です。

この点、簡易課税を利用すると、
売上消費税の40%相当を課税仕入れとして控除できるので、
実際に支払った消費税を控除する“原則課税より有利”になる場合が多そうです。
建物取得など高額な課税仕入れの予定がなければ、
インボイス発行事業者登録申請書と一緒に
「簡易課税制度選択届出書」
を提出しておくとよいでしょう。


●これでインボイスの発行準備はOK

【その1】まずはインボイスの記載事項をチェック!

オーナーの発行インボイスに必要な記載事項は次の6項目。
①オーナ-の名称
②登録番号(インボイス番号)
③取引年月日(家賃の支払日や請求日)
④賃貸借契約の内容
⑤税率ごとの対価の合計額と適用税率
⑥消費税額等
⑦取引の相手方(借主)の名称

自分(または管理会社)が家賃の請求書を発行している場合は、
上記の記載があれば問題ありません。

請求書を発行していない場合は、
賃貸借契約書と他の書類に、①から⑥が記載されていれば、
インボイスを発行したことになります。


【その2】既存契約は不足事項を相手に通知!

既存の契約書をわざわざ直す必要はありません。
インボイス番号など不足事項を通知書にまとめ、
それを案内すればOKです。

①契約書、②
通知書、③振込票や通帳など複数書類がインボイスとなります。




【その3】新規契約なら契約書にもれなく明記!

新規契約なら、上記③の取引年月日以外を、契約書に明記しておくことができます。
①契約書と②家賃の振込票等の組み合わせがインボイスとなります。

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