「停止条件付の遺贈」について、
「停止条件付」ってなんだか難しそうですが、
今回は「結婚を条件に住宅を遺贈する」という具体例をもとに解説していきます。
質問の事例
Aさんが亡くなる前に、
「娘Bが結婚したら住宅(甲)を遺贈する」と遺言を残していた場合、
相続税の計算では、
いったい誰がこの住宅を取得したことにするのでしょうか?
ポイントは「結婚する」という条件が、
まだ満たされていない時点で遺言の効力が、
まだ有効でないという点です。
まだ条件(結婚)が満たされていない間は、
「未分割の財産」として扱い、
法定相続分に従って申告します。
その後、
条件が成就したら修正申告などをして最終的に精算します。
「いつ相続したことになるの?」
とモヤモヤするかもしれませんが、
まだ条件を満たしていない財産を
「とりあえず保管しておこう」
ということになります。
詳しい解説
☆停止条件の効力発生:
・民法上(民法985条2項)、停止条件がある場合は、
その条件が満たされたときに効果が生じます。
・つまり、Bさんが結婚した時点で初めて、
「住宅甲を取得した」ということになります。
☆相続税の取り扱い:
・条件が成就するまでは、
住宅甲は「未分割」財産として扱います。
・そして、ひとまず「相続人全員の法定相続分」で、
取得したものとみなして課税額を計算します(相基通11の2―8)。
・もし遺産分割協議で「住宅甲は将来Bにあげるよ」
という話が明確にまとまっているなら、
その通りに申告しても大丈夫です。
☆条件が成就(Bさんが結婚)した後:
1.修正申告
・すでに相続税の申告をした人が、
実際の取得内容(Bさんが住宅甲をもらう)と合わなくなった分を修正します。
2.新たに申告が必要な人
・条件が成就して初めて相続税の納税義務が発生した人は、
「その条件が成就した日」=「相続開始を知った日」として、
そこから10か月以内に申告書を出しましょう(相基通27―4⑼)。
3.更正の請求
・条件が成就した結果、
他の相続人の取得割合が減って、
相続税が下がる場合には、
その日から4か月以内に更正の請求が可能です。
押さえておくポイント
1.条件が満たされるまで「未分割財産」として普通に相続税申告をする。
2.条件が満たされたら、あらためて修正申告や更正の請求をする。
という流れを踏めば大丈夫です。
税理士法人 A to Y
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